京都の送り火と食文化——鱧寿司に込められた想い

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京都の送り火と食文化——鱧寿司に込められた想い

食文化

2025/08/15 京都の送り火と食文化——鱧寿司に込められた想い

はじめに

毎年8月16日に行われる「五山の送り火」は、京都の夏を締めくくる風物詩です。お盆に帰ってきた祖先の霊をあの世へ送り出すこの行事は、宗教的な意味合いとともに、京都の食文化にも深く結びついています。中でも「鱧寿司」は、この時期ならではのご馳走として古くから親しまれてきました。

送り火の意味と歴史

送り火は、平安時代から続くとされる精霊送りの行事です。京都の東山や北山、西山など五つの山に火文字や形が描かれ、盆の終わりを告げます。「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の五山が灯される光景は、夏の夜空を荘厳に染め、見物客だけでなく地元の人々の心にも深い感慨を呼び起こします。

送り火と食文化の関係

京都では、送り火の日は“ハレの日”として特別な食事を用意する習慣があります。お盆中は精進料理や質素な献立が多いため、送り火の晩は「ご先祖様を無事に送り、再び日常に戻る」節目として、少し豪華な料理が並びます。その代表格が「鱧寿司」です。

鱧寿司の由来

鱧(はも)は古くから京都の夏を象徴する魚です。海から遠い京都では、昔は生魚を新鮮に運ぶことが難しく、長距離輸送に耐えられる生命力の強い鱧が重宝されました。江戸時代、鱧は大阪・堺や瀬戸内から京の都まで活きたまま運ばれ、「京の夏の味」として定着します。

お盆の送り火の晩に鱧寿司を食べる風習には、

  • 暑さで食欲が落ちる時期にさっぱりと食べられる
  • 腐りにくく保存性が高い
  • 「鱧を骨切りする」技術が京料理人の腕前を示す
    という背景があります。

また、鱧寿司は甘酢でしめた鱧の身を押し寿司に仕立てるため、日持ちがよく、送り火を見物しながら食べる“持ち寄り料理”としても最適でした。

鱧寿司と季節の食卓

送り火の晩の食卓には、鱧寿司のほかにも季節感あふれる料理が並びます。

  • 冬瓜や賀茂なすの冷やし鉢
  • 胡麻豆腐
  • 京漬物(しば漬け・すぐき・千枚漬け)
    など、夏野菜やさっぱりした味わいの料理が中心です。送り火は、単なる火の行事ではなく、京都人にとって「夏の食の集大成」を味わう夜でもあるのです。

おわりに

五山の送り火は、先祖を敬う心と京都の四季の移ろいを象徴する行事です。そして、そこに寄り添う食文化——とくに鱧寿司——には、海と山、歴史と生活が見事に融合した京都ならではの物語があります。今年の夏は、送り火の灯りとともに、鱧寿司の味に千年の都の記憶を感じてみてはいかがでしょうか。

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